「もう一人の杉原」樋口季一郎中将の記念館開館 北海道・石狩

「もう一人の杉原」樋口季一郎中将の記念館開館 北海道・石狩
「もう一人の杉原」樋口季一郎中将の記念館開館 北海道・石狩
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 ナチスの迫害から多くのユダヤ人を救出した旧陸軍の樋口季一郎中将(1888~1970年)の功績を伝える記念館が15日、北海道石狩市・五の沢地区に開館した。戦後75年を経て足跡を知る人が少なくなっており、運営法人の三上武樹理事長(57)は「功績を世界に発信したい。記念館があること自体が発信になる」と話している。

 樋口中将はハルビン特務機関長だった昭和13(1938)年、ナチスに追われソ連・満州国境に逃れてきたユダヤ難民を満州国に受け入れ、脱出ルートを開いた。救出した人数は2万人など諸説がある。

 多くのユダヤ人を救った外交官の杉原千畝(ちうね)氏になぞらえ、「もう一人の杉原」と呼ばれる。

 また、先の大戦の終戦当時、千島列島のシュムシュ島(占守島)や樺太での旧ソ連軍との自衛戦闘を司令官として指揮し、「北海道への侵攻を阻止した」との再評価が進んでいる。

 記念館の名称は「偉大なる人道主義者 樋口季一郎記念館」。古民家の蔵を改修し、北海道防衛策を練った机や北海道小樽市で新たに見つかった資料など約20点を展示している。23日から一般公開される。

 15日の開館式には、樋口中将の親族や石狩市の加藤龍幸市長ら約30人が出席した。孫の樋口隆一・明治学院大名誉教授(74)は「祖父は『人として当たり前のことをした』と言っていた。北海道防衛では周到に準備したにもかかわらず、数多くの犠牲者を出さざるを得なかったことは忘れてはいけない」とあいさつの言葉を述べた。