TOKYOまち・ひと物語

地元の空襲語り継ぐ紙芝居師 三橋とらさん

 オリジナルの「ねこ湯」はニンジンやゴボウといった土のついた野菜が、猫が営む銭湯できれいになる物語。企業に依頼されて、社の沿革を紹介する紙芝居を作ったこともある。

■重いテーマも気軽に

 紙芝居の魅力について「演劇よりもお客さんに近い。お客さんの声や温度を生で感じられる」と語る。「重いテーマでも気軽に見られる」のも演劇や映像とは違う良さだ。

 今後は、発達障害や一人親家庭、LGBT(性的少数者)など、社会的弱者を題材にした紙芝居を作っていきたいと考えている。「そういう人たちの声に耳を傾けて、一緒に紙芝居を作ってみたい。人間の毒とか闇みたいなものを訴えるものを」と夢を語る。

 新型コロナウイルスの影響で、公園や公共施設などで紙芝居ができる機会がめっきり減った。だが、これまで敬遠していた動画投稿サイト「ユーチューブ」で紙芝居動画を配信すると、見た人からコメントが寄せられるなど好感触だった。

 「ここが正念場。ピンチをチャンスに変えたい」

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