<独自>合流新党 埼玉県連代表は国民・大島氏で調整

連合埼玉の会合で歓談する立憲民主党の枝野幸男代表(右)と国民民主党の大島敦埼玉県連代表=1月8日、さいたま市浦和区(竹之内秀介撮影)
連合埼玉の会合で歓談する立憲民主党の枝野幸男代表(右)と国民民主党の大島敦埼玉県連代表=1月8日、さいたま市浦和区(竹之内秀介撮影)

 立憲民主党と国民民主党の埼玉県連は、両党などで結成する合流新党の県連代表に、国民民主党県連代表の大島敦氏(衆院埼玉6区)を充てる方向で調整に入った。複数の関係者が11日、明らかにした。

 新党に参加する両党県連所属国会議員は、立憲民主党が枝野幸男代表(同5区)ら4人、国民民主党は大島氏ら3人で、数で勝る立憲民主党側には代表のポストを回すよう求める声もあった。ただ、県連発足後の資金面などの負担の大部分を国民民主党側が担う見通しとなり、協議の末、大島氏を県連代表に据えることで折り合ったという。

 県連幹事長には、立憲民主党県連幹事長の田並尚明県議が就任する方向だ。

■「資金」「人材の質」で優位に

 野党合流新党の埼玉県連代表に国民民主党県連代表の大島敦氏が就く見通しとなった背景には、資金面などで同党が優位に立っているという状況がある。

 埼玉県の場合、国民民主党県連が県庁近くの一等地に事務所を構えているのに対し、立憲民主党県連はさいたま市大宮区の枝野幸男代表の事務所の一部を「間借り」している状況だ。現在の国民民主党県連事務所はそのまま新党に継承される見通しで、同党の「衣替え」という印象すらある。

 資金面でも、旧民進党の後継政党である国民民主党が優位に立っており、両党県連の潤沢さの度合いは「ケタが違う」(国民民主党県連関係者)。別の同党関係者も「お金も土地も提供するのに、何もかも立憲民主党に任せるわけにはいかない」と語り、県連代表のポストを得たのは当然だとの認識を示す。

 当初は、新党の県連代表に立憲民主党県連代表の熊谷裕人氏(参院埼玉選挙区)を充てる案もあった。

 ただ、熊谷氏が昨年7月の参院選で初当選したばかりなのに対し、大島氏は衆院当選7回のベテランだ。立憲民主党県議は、早期の衆院解散・総選挙も取り沙汰されている状況を背景に「選挙に強い大島氏のほうが安心して臨めるという声は根強かった」と明かす。

 大島氏ら国民民主党の衆院議員の多くは前回衆院選で、逆風にさらされた旧希望の党の公認を受けて戦っており、比例復活当選者を含めて選挙に強い人材が多い。対照的に、追い風が吹いた立憲民主党は、選挙基盤が弱い候補が当選に至ったケースも目立つ。

 国会議員の「数」で圧倒する立憲民主党と、「資金」「人材の質」で勝る国民民主党-。他の多くの地方組織にも共通する傾向は、新党内での主導権争いにも影響しそうだ。(竹之内秀介)

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