裁判員の「死刑」覆し確定6件目 熊谷6人殺害事件

裁判員の「死刑」覆し確定6件目 熊谷6人殺害事件
裁判員の「死刑」覆し確定6件目 熊谷6人殺害事件
その他の写真を見る (1/2枚)

 埼玉県熊谷市で平成27年、ペルー国籍の男が小学生2人を含む6人を殺害した事件で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は被告側の上告を棄却する決定をした。死刑とした1審さいたま地裁の裁判員裁判判決を破棄し、無期懲役とした2審東京高裁判決が確定することに。裁判員裁判の死刑判決が控訴審で破棄され、確定するのは、熊谷6人殺害事件で6件目。6件とも高裁が死刑の選択に慎重な姿勢を示し、いずれも無期懲役に覆っている。

 今回の熊谷事件は責任能力の認定をめぐって判断が分かれた。東京高裁は被告の精神状態を慎重に検討し、心神耗弱状態と判断。1審判決の死刑から無期懲役に減軽していた。平成27年の兵庫・淡路島5人殺害事件でも大阪高裁が今年1月に心神耗弱と認定し、1審神戸地裁の裁判員裁判の死刑判決を破棄した。弁護側のみ上告している。

 一方、千葉県松戸市の女子大生殺害事件など、確定したほかの5件は完全責任能力を認めた上で主に量刑が争点になった。量刑は裁判員の判断が上級審でも重視される傾向にあるが、死刑の場合は慎重に判断される。

 この5件で各高裁は、死刑適用の判断基準に被害者の人数や殺害の計画性を挙げる最高裁の「永山基準」に照らした従来の枠組みを維持し、死刑を回避してきた。さらに27年の最高裁決定は「究極の刑罰である死刑の適用は慎重さと公平性が求められる」とし、裁判員裁判を含め、過去の量刑傾向を考慮するよう求めている。

会員限定記事会員サービス詳細