総裁選所見発表詳報

(11)岸田氏「持続可能な資本主義を考える」

自民党総裁選の所見発表演説会で演説する岸田政調会長=8日午後、東京・永田町の党本部
自民党総裁選の所見発表演説会で演説する岸田政調会長=8日午後、東京・永田町の党本部

■岸田文雄氏

 また、中間層への支援というのは、日本だけではなくて、アメリカをはじめ世界各国の課題として浮かび上がっています。この中間層への支援、教育、あるいは住宅、こういった部分における支援が最も効果的だ、こういった議論が行われています。最低賃金の引き上げ、こういったものも考えなければなりません。

 また加えて、この資本主義そのものについても考えなければいけない、こういった時期が来ています。もうけ、あるいは効率最優先の資本主義、新自由主義というものが批判をされ始めてからも久しいわけでありますが、今(投資判断に環境、社会、企業統治の視点を取り入れる)ESG投資ですとか、SDGs(持続可能な開発目標)ですとか、世界的にこういったものが注目をされている。

 こういった時代にあって、私たちは改めて、人に優しい、公益に資する、持続可能な資本主義を考えていかなければいけないのではないか。日本においても、昨今、渋沢栄一が再評価されている。こういった動きも、こうした流れの一環ではないかと思います。

 資本主義というもの、資本と労働、カネと人、これが大きな要素だといわれています。このカネの部分ではなくして、人の部分にしっかりと注目をする、分配を考えていく、こういった資本主義、今考えていく必要があるんではないか。こんな問題意識も持ちます。

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