政府は8日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために実施している出入国制限について、台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとのビジネス関係の人の往来を一部緩和した。今後も感染が抑えられている国・地域から、人の往来の制限を段階的に緩和していく方針だ。
台湾など5カ国・地域との間で出入国制限を緩和した対象は、企業の駐在員をはじめとする長期滞在者。入国後14日間の待機などが条件となる。短期出張者向けの制限は継続する。
政府は、一般的な往来とは別に、ビジネス上必要な人の往来について、現行の水際措置を維持した上で、追加的な防疫措置を条件に出入国を認める例外枠を設定。8日に制限を緩和した5カ国・地域に、中国、韓国などを加えた計16カ国・地域と交渉を進めてきた。
駐在員や技能実習生など長期滞在者は、入国後14日間の自宅やホテルでの待機などを条件とし、短期出張者には、活動計画書の提出などを条件に入国後14日間の待機期間中も、行動範囲を限定した形でのビジネス活動を認める。
タイ、ベトナムとは7月29日に長期滞在者向けの枠組みの運用を開始しており、出入国在留管理庁によると、8月5日から30日までに、タイからは計240人、ベトナムからは計185人がこの枠組みで来日した。
一方、短期出張者向けの枠組みは、まだどの国・地域とも開始に至っていないが、シンガポールとは9月中に、長期滞在者、短期出張者向けの両方で運用を始める方向だ。
茂木敏充外相は8日の記者会見で「16カ国に加え、感染が落ち着いている地域、ビジネスのニーズが高い地域との間で(往来再開協議の)対象を広げていきたい」と述べた。