戦後史のある程度長いスパンで見たとき、安倍晋三首相が戦ってきたものこそ日本の左傾であったと、筆者は解釈している。第1次内閣以降、首相が正そうとしてきた「戦後レジーム(体制)」とは、左傾した日本のことである。残念ながらその左傾はまだ完全には修正されていない。
■戦後の偏った国家
以下は当然ながら、安倍首相ではなく筆者の考えであることは断っておきたい。左翼という言葉の由来には、なにものかを否定し急進的に改革するということが含まれている。戦後日本は終戦までの日本を否定することから始まった。左翼国家とはいわないまでも、左傾国家としてスタートしたといってよい。