テニスの全米オープン男子シングルス4回戦で、優勝争いの大本命だったジョコビッチが思いもよらぬ形で姿を消した。
第1セット、11ゲーム目をカレノブスタにブレークを許して5-6とされた直後、ジョコビッチが怒ってコート後方にボールを打つと、その打球が線審の首元を直撃。線審は首を抑えてしゃがみこんだ。全米オープンの公式サイトによると、四大大会の規則で「危険や事の重大さを考えずに不注意にボールを打ったことで、スポーツマンシップにふさわしくない行動」と認定され、失格が告げられたという。
AP通信は「約10分間、審判らはジョコビッチを交えて話し合った。彼は故意ではなく、失格には当たらないと主張したが、線審を傷つけたことは明らかで、失格に至った」と伝えた。
今季のジョコビッチは1月の全豪オープン優勝と幸先良かったが、新型コロナウイルスによるツアー中断中に主催した非公式の慈善大会で、不注意から自身を含め参加者に感染者を出していた。
ジョコビッチは失格後の会見には応じなかったが、自身のインスタグラムで、「とても悲しく、むなしい気分だ。意図せずボールを当ててしまった。このことを選手として人間として成長する教訓にする必要がある」などとつづり、謝罪した。