デビュー30周年の葉加瀬太郎、世界中に音楽の光を 

デビュー30周年の記念アルバムを発売するミュージシャンの葉加瀬太郎=7日、東京都港区(飯田英男撮影)
デビュー30周年の記念アルバムを発売するミュージシャンの葉加瀬太郎=7日、東京都港区(飯田英男撮影)

 今年でデビュー30周年を迎えたバイオリン奏者、葉加瀬太郎(52)が、記念アルバム「FRONTIERS」を発表した。新作は葉加瀬らしく、ジャンルを超えた世界観にあふれた出来上がりで、18日の東京・オリンパスホール八王子から全国ツアーも始める。(水沼啓子)

 今年4、5月に予定されていたコンサートツアーのため、3月中旬に活動拠点の英国ロンドンから帰国。しかしコロナ禍でツアーは延期になり、秋に計画していたライブツアーの実施も難しくなった。

 「(緊急事態宣言が出て)ずっと籠もるしかないなら曲を書こうと決めたんです。毎日ただ音楽と向き合って、新曲を絞り出し、レコーディングにこぎ着けた」という新アルバム。そのキャッチフレーズは「全大陸を元気にする」だ。

 「世界中がふさぎがちな中、音楽で何か光みたいなものを感じてもらえたらと作ったのが1曲目で、アルバムの方向性を決める指針にもなった。8ビートでストリングスが軽快なリズムを刻んでいる」と話す。1980年代の英国ロックの曲調が色濃く出ている曲だ。

 一方、自身が大好きというシューベルトの「Ave Maria」など3曲をカバー。アルバムの2曲目に収録された「a-ha(アーハ)」の「Take On Me」には、他の楽曲を検索中に入力間違いから偶然、再会した。

 「僕らが学生のころ、六本木のディスコに行って、この曲がかからない日はなかった。サビとかいいねと思ってバイオリンで弾いてみたら、ばっちりはまって。曲の途中、リムスキー=コルサコフの『くまんばちは飛ぶ』をパロディーで入れて、クラシック好きにもクスッと笑ってもらえるようにした」

 今回のアルバムの中で一番気に入っているのが、レゲエのリズムにアレンジしたエルビス・プレスリーの「Can’t Help Falling In Love」のカバー。「あの曲は恐らくこの世でいちばん良くできたメロディー。とてもいい仕上がりになったのではないか」と自ら太鼓判を押す。