住民投票と衆院選で同日実施? 都構想めぐり各党探り合い

街頭演説で大阪都構想反対を訴える自民府連=5日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)
街頭演説で大阪都構想反対を訴える自民府連=5日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)

 次期首相による衆院解散・総選挙が取り沙汰され、大阪都構想をめぐる各党の思惑が交錯している。住民投票と衆院選の同日実施を想定し、自民の一部には「都構想反対」を訴えるため、離党してでも国政で連立を組む公明との対決を辞さない動きがある。反対派から推進派に転じた公明は説明を尽くすため、同日実施を避けたいのが本音。大阪維新の会は投票率上昇などの相乗効果を狙い、同日実施を目指す。

 「都構想の欺瞞(ぎまん)を知り、正しく理解すれば必ずノーという結論に至る」

 5日夕、大阪市中央区の南海難波駅前。空に黒雲が漂い、雷鳴がとどろく中、自民大阪市議団の北野妙子幹事長は大塚高司府連会長ら国会議員とともに街宣車に立ち、こう訴えた。

 南海難波駅前は、維新が平成27年5月の前回住民投票など重要な節目で演説を行ってきた「聖地」。象徴的な場所で自民府連は対決姿勢を改めて鮮明にした。

 「都構想反対」の活動は公明との関係にも影を落とす。北野氏ら3人は同日実施となった場合、離党も視野に公明が議席を持つ衆院選挙区での出馬を検討しているためだ。

 自民、公明両党は選挙協力の一環で衆院選挙区の候補者をすみ分け、大阪3区▽同5区▽同6区▽同16区-は事実上、公明の指定席となっている。

 北野氏が府連に相談する前に報道が先行し、大塚氏は「何も聞いていない」と困惑気味。ある府議は「府議選でも公明の支援を受けている。いい迷惑だ」と不満をあらわにした。

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