全国初、不払い「養育費」の立て替え・回収を始めた自治体

 しかしモデル事業では、課題も浮かんだ。民間企業が主体となるシステムでは、債権の回収可能性が重視されるため、相手方の資力によって支援に差が出かねない。そこで、保証料を負担し続けるより、いっそ立て替え・回収も自前でした方がいいとの結論に至ったという。

 市はこれまでの知見を踏まえ、条例により立て替えを制度化する方針を固め、今年12月の市議会に条例案を提出、来年4月の施行を目指している。新制度では、相手側が養育費を支払わない場合、子供の同意の上での氏名の公表や、過料などのペナルティーも検討されている。

 市では離婚後の面会交流支援や子供の養育に関する相談体制も確立。市職員が仲介して交流日程の調整や面談、場所の提供などを行っている。

 泉市長は「明石市が取り組んでいることは本来、国がしなければならないこと。欧米など諸外国では、国が養育費について制度化している。社会全体の意識を変えて、自治体レベルではなく国レベルで議論を深め、制度の具現化を進めてほしい」と強調する。

「国は制度化急げ」

 明石市などの取り組みを受け、法務省と厚生労働省は6月、養育費不払い問題の解消に向けた検討会を設置。欧州などの制度を参考に、強制徴収の導入の是非や自治体との連携について論点を年内にまとめるとしている。

 厚労省が28年度に行った「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子家庭は約123万1600世帯、父子家庭は18万7千世帯。離婚した世帯のうち養育費の取り決めを行っている母子家庭は42・9%、父子家庭は20・8%で、実際に支払いを受けているのはそれぞれ24・3%、3・2%にとどまっている。

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