建設アスベスト訴訟、国と企業に13億円賠償命令 東京地裁判決

 建設現場で建材に含まれるアスベスト(石綿)を吸い、肺がんや中皮腫になったとして、埼玉、千葉、東京各都県の元労働者や遺族ら計121人が国と建材メーカー18社に計約43億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。前沢達朗裁判長は、国とメーカー5社の責任を認め、112人に計約13億円を支払うよう命じた。

 建設現場の元労働者らが全国で起こした「建設アスベスト訴訟」は、救済対象の判断が各地で分かれている。一部は審理が最高裁に移っており、統一的な判断が注目される。

 判決は、国が建設現場の警告表示に「防塵(ぼうじん)マスクの必要性などを記載する義務を負っていた」と認定。屋内作業場では昭和50年以降、屋外作業場では平成14年以降に規制しなかったことを違法と認定した。また「一人親方」と呼ばれる個人事業主に対する国の責任も一部認めたが、解体作業に従事する一人親方は救済の対象外とした。

 メーカーに関しては、シェア20%以上のアスベスト建材を労働者らが扱ったと認められるとして、5社の共同不法行為の成立を認めた。

 厚生労働省は「国の主張が一部認められなかった。関係省庁としつつ対応を検討したい」とコメントした。