首相辞任表明 「コロナ対策どうなる…」 都民の反応さまざま

 安倍晋三首相が辞意を表明した28日、都内を行き交う人からは驚きとともに「体調だから仕方ない」との気遣いがみられた。一方で、同日も226人の新規感染者がでるなど新型コロナウイルスの感染が高止まりしている東京。コロナ対策半ばでの辞任に疑問の声も聞かれた。

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 記者会見が始まった午後5時。JR新宿駅東口の新宿アルタ前には、安倍首相の姿が大型ビジョンに映し出された。

 会見を見ていた八王子市の会社員、小山裕史さん(46)は「どんどん疲れた表情になっているように見えた。まずはお疲れさまという気持ち」と語った。持病が再発しての辞任に「コロナのような状況になれば誰でもたたかれる。相当、気苦労があったのではないか」と推察した。

 巣鴨地蔵通り商店街を訪れていた江東区の無職、道信(どうしん)タケオさん(70)は「体調のことなので、仕方がない」としつつもコロナ対策について、「次の首相には、経済とのバランスを考えながら状況を見極めて対策を行ってほしい」と注文をつけた。

 安倍首相について「全般的によかった」とした豊島区に住む無職、須賀周子(ちかこ)さん(73)は「安心して任せられると思っていた。今まで大変だったと思うので、これからは自分の生活を一番に考えてほしい」と気遣った。その上で「コロナ対策も不満はなかった。まだ続けてほしかった。次の首相はやりにくいと思う」と話した。

 若者が行き交う渋谷でも驚きの声が。大学3年の光藤(みつふじ)有紀さん(20)は「びっくりした。辞任するほど、体調が悪化しているとは思わなかった」といい、「首相が辞めることで、コロナ対策が混乱するのではと不安。後継者には五輪に限らず、これまでの方向性で進めてほしい」と語った。

 大学2年の小池咲希佳(さきか)さん(19)は「コロナで大変なときに、辞めるのは驚いた。今は辞めるべきではないのでは」と疑問を投げかけ、「コロナ対策は今後どうなるのか…」と表情を曇らせた。

 「このタイミングとは…」。銀座を仕事で訪れていた大田区の会社員、内山喜博さん(27)も驚きの声を上げ、「第2波に対し、もう一踏ん張りする正念場なのに」と首をかしげた。

 都医師会の尾崎治夫会長は「体調が悪いと政治判断に影響する可能性もあり、仕方ない」とした上で、「医療現場のリアルな声が首相まで届かないという、安倍内閣の仕組み上の問題があったように思う。その結果、逼迫(ひっぱく)度が伝わらず議論が遅れることがあった」と分析。次の首相には「現場がどうなっているか、どういう補償が有効かを考えて、力を振るってほしい」と期待した。

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