【香港=藤本欣也】香港メディアは27日、台湾へ密航しようとした香港の高速艇1隻が23日朝、香港南東の海上で中国海警局に捕まり、乗船していた香港の民主活動家ら12人が不法越境の疑いで拘束され、中国本土に移送されたと報じた。12人の中に、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕された李宇軒氏が含まれているという。国安法の施行後、民主活動家が密航しようとして拘束されるのは初めて。
李氏は今月10日、香港紙、蘋果(ひんか)日報創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏や民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏らとともに、国安法違反の疑いで逮捕され、保釈中。旅券(パスポート)は没収されていたという。外国勢力に香港の制裁を働きかけ、資金を集めていたとされる。
他の11人は、爆弾製造にかかわっていた人物や勇武(武闘)派メンバーら、昨年の反政府デモに参加していた若者たちという。