自民・岸田政調会長、皇統と憲法で安倍保守路線継承へ 派閥の理解得られるか

自民党・岸田文雄政調会長
自民党・岸田文雄政調会長

 次の首相を目指す自民党の岸田文雄政調会長が、安倍晋三首相の保守路線の継承に動き出した。憲法改正を目指す考えを打ち出し、皇位継承に関しても父方が天皇の血を引く男系継承を尊重する意向を示す。国の骨格となる重要テーマで立ち位置を明確にし、他のライバルとの違いを際立たせる狙いもありそうだ。

 「憲法は国の基本を定める。時代の変化とともに検証していくことは大事だ」。岸田氏は25日の東京都内での講演で「岸田政権」樹立の際は改憲議論を推進していくことを明言した。

 自民党の改憲4項目に、首相の座を争う石破茂元幹事長は否定的な考えだが、岸田氏は「大変重要な課題だ」と強調。安倍首相が最も重視する憲法9条への自衛隊明記に関しては、「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」と語った。

 皇位継承に関しては、24日の記者会見で「男系天皇を維持してきた歴史の重みを強く感じている」と強調。「ポスト安倍」候補のライバルで、条件付きで女系天皇容認に言及した河野太郎防衛相との違いをアピールした。

 首相は平成24年の第2次政権発足以降、一貫して改憲を主張。皇位についても国会答弁で「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえる」と訴えてきた。岸田氏の一連の発信は基本的に首相の方針を引き継ぐことを示す。

 総裁選で首相や、出身派閥の細田派(清和政策研究会)の協力を得たい考えも透けるが、岸田氏を支える岸田派(宏池会)はリベラルの印象が強く、9条改憲に慎重意見も根強い。名誉会長の古賀誠元幹事長は「針の先ほども変えるのはだめだ」と周囲に語ってきた。

 中堅議員は「リベラルの岸田氏が改憲を訴えることで、国民も受け入れやすくなるはずだ」と期待するが、派内で理解が得られるかが注目される。(永原慎吾)