河井夫妻、初公判詳報

(3)疎遠や仲たがいの人物にも現金「選挙はがきや名刺も一緒に渡す」  

《昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、地元議員や首長ら100人に票の取りまとめを依頼し報酬に現金を渡したとして、公選法違反の罪に問われた前法相で衆院議員、河井克行被告(57)=広島3区=と妻で参院議員、案里被告(46)=広島選挙区=の初公判は、検察官の冒頭陳述が続いている》

《早口で克行被告の冒頭陳述の読み上げを続ける検察官。検察側は、昨年7月の参院選で自民党から2人を擁立したものの、地元県連の重鎮らが現職の溝手顕正氏を推したため、案里被告側の選挙情勢が厳しくなったことから克行被告が「なりふり構わぬ選挙運動」を展開、現金配布に至ったとの主張を展開していく》

《克行被告が現金を渡したとされる地元議員や首長ら100人のうちの一部について、その状況を述べていく検察官。描写された中には、広島県三原市の天満祥典元市長もいた》

検察官「天満祥典に対する供与状況。前記天満は広島県三原市長を務めていたところ、平成31年3月27日、克行被告は指定されたビルを訪問し、案里被告への投票および投票とりまとめなどの選挙運動を依頼し、その報酬として、現金50万円を供与した」

《克行被告は平成31年3月下旬から3カ月以上、案里被告の選挙で支援を受けるため連日、広島県内の地元議員らを訪ね、現金を渡していったとする》

《受け渡しの舞台となったのは、地元議員らの後援会事務所や自宅など多岐にわたっていたことを説明する検察官。克行被告の車の中や、議長室といった公の場もあったことも指摘した》

《加えて、現金を受け取ったとされる人物の中には、克行被告とは「10年以上疎遠だった」「仲たがいしていた」者もあったとする》

検察官「克行被告が現金を渡す際、案里被告の選挙はがきや名刺も一緒に渡していた」

《検察側の冒頭陳述は続く。多岐にわたる現金の受け渡し場所の中でも、一部の人物との場合、ホテルや飲食店で案里被告の選挙の進め方について、克行被告と協議した後にトイレで現金を渡すこともあったとした》

《検察側は、こうした状況を逐一指摘することで、渡された現金が、案里被告の参院選での票の取りまとめの意図があったことを印象付けていく》

《この間、克行被告は姿勢を崩すことなく、冒頭陳述に耳を傾けていた。手元の資料を確認しながら、時折メモを取り続けている。これに対し、案里被告は席に深く腰掛け、じっと目を閉じながら、検察官の主張を聞いている》

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