現金の趣旨が争点 河井夫妻の公選法違反事件、25日初公判

昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、公選法違反の罪に問われた前法相で衆院議員、河井克行被告(57)と妻で参院議員、案里被告(46)の初公判が25日、東京地裁で開かれる。検察側は、夫妻が地元議員ら100人に総額約2900万円の現金を「選挙の買収目的」で配ったとみているが、夫妻側は「選挙目的ではなかった」として無罪を主張する方針で、法廷では全面対決が予想される。

起訴状によると、克行被告は昨年3月下旬~8月上旬、参院選の票のとりまとめを依頼する目的で地元議員ら100人に計約2900万円を渡し、案里被告もこのうち5人分の計170万円を克行被告と共謀して渡すなどしたとしている。

争点は100人に配られた現金の趣旨だ。関係者によると、克行被告は現金配布の大半は認めつつ、地元議員らに対しては「陣中見舞いや当選祝い」、後援会関係者には「必要な経費」、陣営スタッフには「給与」を支払っただけだと供述。選挙運動全体を取り仕切った「総括主宰者」だったとの検察側の指摘も否定し、公判でも同様の主張をするとみられる。これに対し検察側は、配布時期に幅はあるが、案里被告が昨年3月に立候補を表明していたことなどから、「票の取りまとめ」が趣旨だったとみて立証する方針だ。

■否定から一転も

夫妻の陣営をめぐっては、車上運動員に対する違法報酬事件の捜査が先行。広島地検は今年3月、公選法違反罪で案里被告の公設秘書、立道浩被告(54)=1審有罪、控訴=と克行被告の元政策秘書、高谷真介被告(44)=公判中=を起訴した。この捜査の過程で現金の配布先を記した「買収リスト」が押収され、巨額買収疑惑が浮上。東京、大阪両地検の特捜部検事らが広島に集まり、オール検察体制で地元議員らから事情を聴いた。

関係者によると、現金を受け取った議員らの中には当初、「『案里をお願いします』と言われていない」などと選挙目的を否定するケースもあった。しかし、度重なる聴取で、案里被告の立候補が決定した後だった▽過去に現金を受け取っていない▽領収書が発行されていない-といった点を示されると、一転して選挙目的と認めたという。

ただ、検察の聴取が「ストーリーありき」だったとの指摘もある。ある後援会関係者は「選挙目的とは思わなかったが、検事の想定にそぐわない話は聞いてもらえなかった」と明かす。

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