安倍首相、24日に連続在職1位 佐藤栄作氏抜き単独最長

 安倍晋三首相の連続在職日数が24日に2799日となり、大叔父の佐藤栄作元首相を抜いて単独1位になる。この間、経済成長と国政選挙での連勝を土台に集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法を成立させるなど多くの実績を上げてきた。ただ、憲法改正など積み残された課題もあり、来年9月の自民党総裁の任期満了が近づくにつれ「安倍1強」の党内基盤が揺らぐ可能性もある。政権の「総仕上げ」に向けた手腕が問われるのはこれからだ。

 首相は党総裁として政権交代を成し遂げた平成24年12月の衆院選を含め、衆院選と参院選で6連勝を果たしている。選挙の強さが政権基盤の安定をもたらし、党内で「安倍おろし」を模索する動きも皆無に等しかった。

 長期政権が実現したのは、保守層を岩盤支持層とする一方、大胆な金融緩和をテコにした経済政策「アベノミクス」で幅広い層の支持を集めたことが大きい。野党が分裂を繰り返したことも政権を助けた。

 強固な政権基盤を元に安全保障関連法や機密漏洩(ろうえい)を防ぐ特定秘密保護法を成立させ、2回にわたり消費税率の引き上げも断行した。政権の安定は外交にも好循環をもたらし、トランプ米大統領と良好な関係を築いた。先進7カ国(G7)でも存在感を発揮する一方、習近平国家主席の中国とも関係を改善した。

 野党による「森友・加計問題」や「桜を見る会」などの追及もしのいできたが、今年に入って新型コロナウイルスの感染拡大は一定の打撃となった。経済は減速を余儀なくされ、今年4月には国民1人当たり一律10万円の給付をめぐって与党側が主導権を握る場面もあった。報道各社の世論調査で内閣支持率は低下傾向にあり、得意の外交で挽回を図ろうにも新型コロナの影響で限界がある。

 こうした中、首相は憲法改正への意欲を失っておらず、来年夏の東京五輪・パラリンピックも実現を目指す。北朝鮮による拉致問題、北方領土返還交渉など未解決の課題も残る。

 自民党内には党則を改正し、党総裁「連続4選」を求める声もあるが、首相自身が周囲に否定的な反応を示している。来年9月の党総裁任期切れを見据え、「ポスト安倍」に向けた党内の動きも出始めた。政権のレームダック(死に体)化を防ぎつつ実績を残し続けることができるか。今後1年余りの間に安倍政権の最終評価が固まる。

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