EU首脳会議で対ベラルーシ制裁の可能性を協議

18日、ベラルーシの首都ミンスクで、政府庁舎前広場に集まりルカシェンコ大統領の退陣を求める集会(タス=共同)
18日、ベラルーシの首都ミンスクで、政府庁舎前広場に集まりルカシェンコ大統領の退陣を求める集会(タス=共同)

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は19日、ベラルーシ情勢をめぐってテレビで緊急首脳会議を開き、反体制派デモ弾圧に対する制裁の可能性を協議した。ロシアのプーチン大統領はEUの介入を強く牽制(けんせい)しており、双方の綱引きが激しくなっている。

 EUのミシェル大統領は首脳会議を前に声明を出し、「ベラルーシ国民は指導者を自由に決める権利がある。抗議デモに暴力で応じることは認められない」とベラルーシ政府を非難した。「外国が介入すべきではない」とも述べ、ロシアが軍事干渉しないよう暗に求めた。

 ベラルーシではルカシェンコ大統領が6選を決めた大統領選の結果をめぐって抗議デモが広がっており、EUは14日、外相会合で「不正があった」と批判。デモ弾圧の責任者に制裁を科す方針を決めた。19日の首脳会議で具体的な中身を話し合ったとみられる。

 旧ソ連のベラルーシには、ロシアが強い影響力を持つため、ミシェル氏と独仏首脳は18日、それぞれプーチン氏と電話会談し、対話促進と平和解決の重要性を訴えた。ロシア大統領府によると、プーチン氏は「外部からの内政干渉は危機拡大につながり、容認できない」と主張した。

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