米大統領選

異例のバーチャル党大会 静かな民主党大会 党の結束アピールも盛り上がりに課題

17日、オンラインの米民主党大会で拍手を送る支持者ら(ロイター)
17日、オンラインの米民主党大会で拍手を送る支持者ら(ロイター)

 【ニューヨーク=上塚真由】11月3日の米大統領選に向けた野党・民主党の全国大会は17日、新型コロナウイルス感染対策のため、録画や中継を通じたオンライン形式で開会した。党の大統領候補に指名されるバイデン前副大統領(77)のもとで結束を図るため、急進左派のサンダース上院議員(78)ら予備選のライバルたちが次々と登場。党内外の融和を呼びかけたが、オンラインでの大会で、政権奪還に向けた機運をどれだけ高められるかが焦点となる。

 「皆さんと一カ所に集まりたかったが、安全で責任ある方法でわれわれの考えを共有し、国の未来を語り合うことにしました」

 党大会の冒頭、司会役の女優、エバ・ロンゴリアさんがスタジオからこう説明。数万人が一堂に会する例年の党大会の熱気はなく、各地の有権者へのインタビューや政治家らの演説の映像でつなぎ、淡々とプログラムが進んでいった。

 2時間の「バーチャル党大会」を通じて訴えたのは党の団結だ。民主党には2016年の前回選挙で中道派と左派の対立が解消されずトランプ大統領の当選を許した教訓がある。

 若者などに熱烈な支持基盤を持つサンダース氏は「私たちの民主主義、経済、地球が危機にひんしている。力を合わせ、ドナルド・トランプを倒さなければならない」と訴えるとともに、「失敗の代償は想像しがたいほど重くなる」と投票を促した。

 他にもバイデン氏と候補指名を争ったエイミー・クロブシャー、コリー・ブッカー両上院議員、実業家のアンドリュー・ヤン氏らも映像で登場し、党内融和を演出。それぞれバイデン氏を「大統領にふさわしい」などと称賛、ヤン氏は予備選撤退後、バイデン氏からの激励の電話で感銘を受けたことを披露した。

 異例の形の党大会は参加者の拍手や歓声がなく盛り上がりに欠け、「長いテレビコマーシャル番組のよう」(米メディア)との批判が目立ったが、この日の主役となったのは、ミシェル・オバマ前大統領夫人だった。他の政治家よりも2倍以上の約18分間にわたる事前収録の演説で、トランプ氏を「われわれの国にとって、間違った大統領だ」と痛烈に非難した。

 新型コロナ危機や人種差別問題などに直面する中、「今のホワイトハウスに指導力や慰め、安心感を求めても、返ってくるのはカオスや分断だ。完全に(他者への)共感能力が欠如している」と指弾した。さらに、バイデン氏を「謙虚さと成熟さを持ち合わせている」とたたえ、子供たちの未来のため「ジョー・バイデンの当選に、全力を尽くさなければならない」と力強く訴えた。

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