民主党大会、共和党のケーシック氏も応援演説 

米民主党大会で話すケーシック前オハイオ州知事のビデオ画像=17日(民主党全国大会提供、AP)
米民主党大会で話すケーシック前オハイオ州知事のビデオ画像=17日(民主党全国大会提供、AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】17日開幕した民主党全国大会では、2016年の前回大統領選でトランプ現大統領と共和党候補指名を争ったケーシック前オハイオ州知事ら共和党員4人がバイデン前副大統領の応援演説を行った。民主党としては、穏健保守派のケーシック氏を登場させることで、共和党の「隠れバイデン支持者」の掘り起こしを図る考えとみられる。

 ケーシック氏はビデオ演説で「私は長年の共和党員だが、祖国に対する責任を最優先する」と述べ、トランプ政権の下で米国が非常事態に陥っているとの認識を示し、「バイデン氏は、その経験と知恵と良識で私たちを結集させ、より良き道を見つけるのを助けてくれるだろう」と訴えた。

 ケーシック氏は前回の大統領選で、トランプ氏を共和党に正式指名した同党全国大会が地元のオハイオ州で開かれたにもかかわらず出席せず、トランプ氏と民主党のクリントン候補のいずれにも投票しなかった。今回も「トランプ氏に投票しない」と明言している。

 ただ、ケーシック氏はこれまでも共和党の方針にとらわれず、銃規制の一部強化や同州での低所得者向け公的医療制度(メディケイド)拡大に取り組んできた党の「異端派」で、同氏に共鳴する共和党支持の有権者の輪が広がる公算は大きくないとみられる。

 共和党では、前回大統領選の共和党候補指名争いでブッシュ元フロリダ州知事を支持したせいでトランプ政権入りできなかった勢力が「打倒トランプ氏」で結集。また、ケーシック氏の州知事時代の側近だった人物らが結成した共和党系の政治団体「リンカーン・プロジェクト」がトランプ氏を批判する多数のテレビ広告を流し、バイデン陣営の事実上の「別動隊」として活動している。