〈独自〉日弁連会長らも厚生年金未加入

 神奈川県弁護士会の会長が厚生年金の加入漏れを年金事務所に指摘された問題で、日本弁護士連合会(日弁連)の会長らも日弁連から報酬を受けながら、厚生年金に加入していないことが11日、日弁連への取材で分かった。厚生労働省は「法人から報酬を得ていれば社会保険に加入しなければならない」としており、日弁連は「対応を検討したい」としている。

 神奈川県弁護士会の加入漏れ問題を内部で検討したワーキングチームが「日弁連や他の会に(問題が)波及することは明らか」との見解を出していたことも判明。他の弁護士会でも会長らの加入義務の問題が浮上する可能性がある。

 日弁連は会長1人と副会長15人を置き、内規上の報酬は会長が月105万円、副会長が月50万円だが、現会長や副会長は厚生年金に加入していないという。

 担当者によると、会長らは加入義務のある「使用されるもの」に該当しないと考えられていた上、自身の事務所の業務も続けており、任期中だけ厚生年金に入る対応はとらなかったとみられる。

 ただ、担当者は「今の対応でいいのか検討、整理することも必要と感じる」とし、「厚労省と相談するなどしたい」と述べた。

 厚労省年金局の担当者は「法人の代表でも、法人組織と使用関係があり労働の対価で報酬を得ていれば、厚生年金に加入する義務がある」と指摘。期間が限定的でも「免除する決まりはない」としている。

 神奈川県弁護士会の問題をめぐっては、会長の加入漏れを指摘された弁護士会が、厚生年金に1年間だけ加入させた場合、年金の切り替えに伴って会長に不利益が出ると判断。会長が報酬を全額返上する一方、退任後に報酬と同額の顧問料を支払うよう決議した。

 関係者によると、弁護士会の設置したワーキングチームが、厚生年金に未加入のまま報酬を支給すれば「罰則が適用される可能性もある」「再度事務所の指摘を受ければ批判を免れない」との見解をまとめた。

 さらに「当会が(加入の要否などを)争って一定の結論が出れば、日弁連や他の会に波及することは明らか」とも言及。執行部はこの検討結果を会員に説明し、顧問料の支払いに理解を求めたという。