甲子園交流試合

県岐阜商ナイン、憧れの舞台で「思い果たせた」 校内クラスター乗り越え

【明豊-県岐阜商】八回、ベンチ前に集まる県岐阜商ナイン。あこがれの舞台で懸命にプレーした=甲子園(沢野貴信撮影)
【明豊-県岐阜商】八回、ベンチ前に集まる県岐阜商ナイン。あこがれの舞台で懸命にプレーした=甲子園(沢野貴信撮影)

 7月に校内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、岐阜県の代替大会辞退を余儀なくされた県岐阜商。2-4で敗れた明豊(大分)との交流試合は5失策と守備が乱れ、打線も先発・若杉の変化球に翻弄された。

 それでも、3点を追う九回に今大会第1号となる本塁打を放って意地を示した主将の佐々木は「野球がやりたくてうずうずしていた。今日はその思いが果たせた」と満足そうな表情を浮かべた。

 感染の影響で、学校自体が7月15~29日まで休校。野球部も約2週間、練習を休止した。鍛治舎(かじしゃ)監督は「(私も部員らも)何もできなくて、苦しかった」と振り返る。

 「交流試合に出場するのはおかしい」といった誹謗(ひぼう)中傷も学校に寄せられた。だが、部員らは甲子園の土を踏めることを信じ、自宅の庭などで地道に素振りや筋力トレーニングを続けてきた。

 紆余(うよ)曲折を経て、ようやくたどりついた高校野球の聖地。この日の試合では実戦不足を露呈したが、苦難を乗り越えてきた選手らは、一つ一つのプレーに野球ができる喜びを込めた。

 「甲子園に出させてもらったことに感謝しかない」。チームの思いを代弁した佐々木は「今後は、次のステージに向けて鍛え直したい」と言った。特別な夏の経験を、将来に生かすつもりだ。(宇山友明)

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