【カイロ=佐藤貴生】ロイター通信によると、レバノンの首都ベイルートで起きた大規模爆発を受け、同国のディアブ首相は10日、退陣を表明した。
大量の危険物が長年放置されていたことが爆発の原因との見方が高まり、政府の腐敗や怠慢が背景にあるとして国内外からの圧力が強まっていた。政情不安に拍車がかかりそうだ。
4日発生した爆発では150人以上が死亡。約30万人が住居を失ったもよう。
ディアブ政権は1月に発足したばかり。ハリリ前政権が大規模な抗議デモを受けて崩壊しており、ディアブ氏は実務者中心の政権をめざしていた。一方で、3月にはデフォルト(債務不履行)に陥るなど深刻な経済状態にあり、政治空白ができれば混乱に拍車がかかることも懸念される。