ビジネス解読

長寿企業、「家訓守り、機敏に動く」で新型コロナ克服

ジャパンフラワーコーポレーション本社で花を受け取る消費者=富山県射水市、4月25日
ジャパンフラワーコーポレーション本社で花を受け取る消費者=富山県射水市、4月25日

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、倒産や廃業に追い込まれる企業が増える中、創業100年を超える長寿企業が新たな取り組みに果敢に挑んでいる。長い歴史にしばられて動きが鈍いと思われがちだが、事業環境の変化への機敏な対応こそが長寿企業の真骨頂だ。

「フラワーロス(廃棄される花)をなくし、生産農家を助けたい」

花卉(かき)流通業者のジャパン・フラワー・コーポレーション(JFC、富山県射水市)の松村吉章社長は、コロナ禍によるイベント中止などで行き場を失った花の購入を呼びかける「2020スマイルフラワープロジェクト」を仕掛けた理由を語った。

自宅にこもりがちな消費者に思いが伝わり、4月11日に立ち上げた同社の電子商取引(EC)サイトを通じ、累計300万本超の花が生産者から家庭に届けられた。

同プロジェクトの真の狙いは、「生産者と消費者を直接つなぐ流通革命を起こす」。つまり、コロナ禍を機に花卉業界に変革を促すことにあった。

花は通常、生産者から農協・生産組合、市場、卸業者、花販売店を経て、消費者に届く。それだけ中間マージンが発生し、店頭価格は上昇する。流通コストを省けば、価格を抑えられると考えてこのプロジェクトを始めた。

実際、花農家がJFCを介して直接提供するため通常の3分の1から2分の1程度で提供でき、花の日常利用という需要創出につなげた。松村氏は「流通革命を起こせるとコロナ禍で確信した」と言い切る。

松村氏には、「常識にとらわれず人のしないことに挑む。俊敏に動く」という同社創業以来のDNAが流れる。JFCは1874(明治7)年に「山文青果市場」として創業しており、平成8年に生花部門が独立して誕生した。松村氏は7代目だ。