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『気配りが9割 永田町で45年みてきた「うまくいっている人の習慣」』田村重信著 人望集める言動のヒントに

『気配りが9割 永田町で45年みてきた「うまくいっている人の習慣」』田村重信著
『気配りが9割 永田町で45年みてきた「うまくいっている人の習慣」』田村重信著

 のちに総理大臣となるその男は、会議が始まる10分前から着席して、たった一人で参加者が集まるのを待っていました。竹下登は、いつもそうでした。自民党職員として数々の政治家をみてきた著者は断言します。「竹下が人を待たせて、時間を奪ったところを一度も見たことがない。総理大臣になってからも変わらなかったし、相手がどれだけ下っ端でも同じだった」

 本書は45年もの長きにわたり、国の根幹政策を支えてきた自民党の「番頭役」による語り下ろし。だが、いわゆる政治の本ではありません。竹下をはじめ、田中角栄や大平正芳、橋本龍太郎といった希代の政治家たちは、人間としていったい何が優れていたのか、なぜ彼らのまわりには人が集まるのか、その共通点を見いだす人生の指南書です。

 懐かしい話ばかりではなく、安倍晋三首相や菅義偉官房長官といった現役の面々にも、スポットライトを当てています。たとえば「麻生太郎のスーツにはなぜ常にシワがひとつもないのか」。麻生氏と全国を一緒に遊説した著者だからこそ知る秘話など、初めて語られるエピソードが満載。ビートたけしや櫻井よしこ氏といった著名人との交流も明かされています。

 最終章では小泉進次郎環境相と対談。他人や自分との向き合い方について語り合う。「大嫌いだ!と面と向かって言われて、正直嬉しかった」など、めったにプライベートを語らない氏の本音は必読。信頼、人望を集める人の言動をヒントに、自らの人間力を高められる一冊です。(飛鳥新社・1400円+税)

 飛鳥新社出版部 三宅隆史

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