「世田谷モデル」に賛否 PCR論争再び…慎重姿勢の専門家も

 (3)について推奨していないのは理由がある。PCR検査の精度は70%程度とされる。感染していないのに陽性と判定される「偽陽性者」が一定程度出るのは避けられない。この偽陽性者が真の陽性者とともに隔離されれば、不必要な感染を招く可能性がある。逆に感染しているのに陰性反応が出た「偽陰性者」が、無自覚に感染を広げるリスクもある。陰性と判定されても、将来の陰性を保障するものではない。

 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は無症状者への検査について「会社の指示で検査を社員にさせて陽性になって休んだ場合、休業補償が課題になる。検査の結果は機微な情報だから、個人の自由意思で行うもので、拒否できなければならない。個人情報の在り方の問題も出てくる。こうした新たに生じる問題を議論せずにただ検査を拡大するのは混乱を招く」とみている。

(坂井広志)

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