鉄道・バス各社、車両の抗ウイルス加工に本腰

 新型コロナウイルス感染拡大の長期化を受け、鉄道・バス各社が、車両内の座席や手すりなどの抗ウイルス加工に本腰を入れている。これまで行ってきた車窓開放などの取り組みに加え、ウイルスや菌を酸化分解する特殊な加工を施すなどして、利用者の安心感醸成を図っている。

 東京都北区とさいたま市緑区を結ぶ「埼玉スタジアム線」を運行する埼玉高速鉄道は5日から、保有する全60車両への抗ウイルス・抗菌加工作業を始めた。

 採用しているのは、照明などの光に当てると化学反応を引き起こす「光触媒」と呼ばれる物質だ。強い酸化力によってウイルスや菌を分解する仕組みで、人体に影響を与えることはないという。

 座席や手すり、つり革などに光触媒のコーティング剤を吹きかけ、加工が完了した車両にはステッカーを張り出す。担当者は「感染拡大防止に万全を期す。安心して車両を利用してほしい」と話す。

 埼玉県南部や東京都北部で路線バスや高速バスを運行する国際興業も今月中旬、全998車両に対し、光触媒による抗ウイルス・抗菌加工を開始する。

 国際興業は車窓の開放のほか、運転席にビニールカーテンの仕切りを取り付けるなどの感染防止策を講じてきた。さらなる対策を検討していたところ、取引先企業から光触媒のスプレーを紹介され導入を決めた。

 担当者は「今後も現場からの意見を積極的に取り入れ、あらゆる対策を講じていく」と強調した。

(中村智隆)