群馬県の山本一太知事は7日、全国初の制定に向け検討を進めている「インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷被害者支援条例」について、年内の制定を目指すと表明した。専門家らの意見を聞く有識者会議の初会合も同日、テレビ会議方式で行われ、検討作業が本格化した。
法整備をめぐっては、会員制交流サイト(SNS)などネット上で悪質な投稿の被害を受けた女子プロレスラー、木村花さんの死去を機に社会的関心が急拡大。総務省が対策強化に向け法改正を視野に入れるほか、県も被害者支援の条例制定と相談窓口の整備などの方針を打ち出している。
この日、非公開で行われた初会合は、ネット教育アナリストの尾花紀子▽レイ法律事務所代表弁護士の佐藤大和▽情報経営イノベーション専門職大学学長の中村伊知哉▽日本大学教授の横田正夫-の4氏が参加。山本一太知事は冒頭、「ネットの誹謗中傷は年々エスカレートしている」と危機感を表明した。
終了後、取材に応じた山本知事は「有識者会議や意見公募(パブリックコメント)を経て11月には条例案を議会に提案する。年内制定を目指す」と述べた。