安野モヨコ展 漫画家と絵師 30年の軌跡

世田谷文学館で開催中の企画展「安野モヨコ展 ANNNORMAL」
世田谷文学館で開催中の企画展「安野モヨコ展 ANNNORMAL」

 「ハッピー・マニア」などの漫画を通じて1990年代以降の若者に影響を与えた漫画家、安野モヨコさん(49)。その歩みを振り返る企画展「安野モヨコ展 ANNORMAL」が世田谷文学館(東京都世田谷区)で開催中だ。昨年、デビュー30周年の節目を迎えた絵師の軌跡を一望できる。

 平成元年、高校3年で漫画家デビューが決まった安野さん。名を一躍高めたのが7年連載開始の「ハッピー・マニア」だ。運命の恋人を探して突っ走る女性を活写した同作は当時多くの若い女性に影響を与えた。仕事と恋愛のはざまで揺れ動く女性をリアルに描き出した「働きマン」はアニメ化、ドラマ化もされた。

 江戸時代の花魁(おいらん)の人生模様を描いた「さくらん」や、鎌倉の四季を色彩豊かに描写した「オチビサン」なども発表。ジャンルや掲載媒体にとらわれない幅広い執筆活動を展開する。同館主任学芸員の庭山貴裕さんは「若い女性のバイブルとなった漫画を描く一方で、優美な女性の一枚絵を描く絵師としての側面もあわせ持つ」と語る。

 同展では主要20作品の原画やイラストなど約500点を紹介。時代を先取りしたストーリー構成に加え、コマ割りの構図やアングルの多様さに改めて驚かされる。表現方法にこだわった版画や墨絵の美しさにも注目。夫で映画監督の庵野秀明さんとの日常を描いた「監督不行届」などに関する楽しいイラストもそろう。

 チケットは日時指定制で事前購入が必要。9月22日までを予定。(本間英士)

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