観光の都パリ 外国人激減で、今年は国内「GoTo」頼み 混雑回避、環境…新たな観光探る動きも 

観光の都パリ 外国人激減で、今年は国内「GoTo」頼み 混雑回避、環境…新たな観光探る動きも 
観光の都パリ 外国人激減で、今年は国内「GoTo」頼み 混雑回避、環境…新たな観光探る動きも 
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 【パリ=三井美奈】観光大国フランスで、新型コロナウイルス流行による異変が起きている。渡航制限の影響で、パリは中国や米国からのツアー客が激減。一方で都会から離れた貸別荘やキャンプ場は、国内客でにぎわいを取り戻しつつある。「混雑回避」に向け、新しい観光のあり方を探る動きも出てきた。

パリ閑散

 パリのモンマルトルの丘は、ピカソやゴッホが集った「芸術の里」。いつも団体客でいっぱいだが、今年は人がまばらだ。家族連れで訪れた会社員(29)男性は、「感染が不安なので、夏はほぼパリの自宅で過ごす。旅行は週末の海水浴だけ」と話す。自作の風景画を売るアンドレア・ベラスさん(50)は、「売り上げは7割減。国内客は絵を買わない」とぼやく。

 フランスの外国人観光客数(2018年)は世界最多の約8940万人。パリ首都圏には毎年約5千万人が訪れるが、今年はすでに1600万人の客足が減ったと試算される。パリ地方観光局のクリストフ・デクルー代表は「今年の観光客数は例年の半分に届くかどうか…」と不安を語った。

 欧州域内では6月、渡航が自由になった。それでも、パリのホテル稼働率は7月前半、約30%に落ち込んだまま。世界の富豪が集まる高級ホテル「リッツ」や「クリヨン」は8月末まで営業停止を決めた。

国内客、地方へ

 仏世論調査では、7割が「バカンス旅行は国内」と回答した。南仏プロバンス地方の7月の統計で、外国人客は昨年より4割減ったが、国内客は2割増えた。キャンプ場や貸別荘の予約は昨年を2割上回った。

 国内客を誘致しようと、フランスの各地方は割引クーポンや景品のサービスを競っている。デクルー氏も「今年は中国や米国からの買い物客が減り、国内客が頼み。ゴルフ場や森散策など、『人混みのない観光』をPRしている」と話す。

混雑回避と環境重視

 ルーブル美術館やベルサイユ宮殿は混雑回避のため、入場はインターネットによる事前予約に限定している。近年、これらの有名観光地の大混雑が問題になっていただけに、「予約制は今後、定着するのでは」という見方が強い。ルーブル美術館は年間客数が1千万人を超え、昨年5月には職員が「混雑に対応できない」と抗議ストを行う事態になった。

 パリ市のフレデリック・オクアール助役(観光担当)は、「コロナ危機は『環境に優しい観光』にシフトする好機になる。自転車での観光など、新しいパリの魅力を提案したい」と訴える。同市は都市封鎖にあわせ、自転車道を50キロ整備。ディーゼル車の大型観光バスの市街地乗り入れを減らす計画を進めている。