日本酒から新たなつながりを 出羽桜酒造社長 仲野益美さん(59)

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コロナと向き合う

 新型コロナウイルスの感染拡大で国内も世界も経済活動が止まり、消費全体が急激に落ち込んだ。コロナとの共存を前提としたウィズコロナの時代に入った今こそ、日本酒を媒介にした新たなつながりを生み出そうとしている。

 「東日本大震災では、被災地を支援しようと他地域から復興支援の機運が盛り上がり、多くの人に東北の酒を買っていただいた。だが今回は違う」と唇をかむ。

 感染リスクを減らすため、消費者は買い物をスーパー1カ所で済ませる傾向が強まった。酒販店には行かず、飲酒店への足は遠のいた。苦境をともに乗り越えるため出羽桜酒造(山形県天童市)は「#エールSAKEプロジェクト」に取り組んだ。

 最初は、テークアウト(持ち帰り)販売を始めた居酒屋などの飲食店の支援。国税庁が4月に料飲店等期限付酒類小売業免許制度を新設し、飲食店は最大6カ月間、在庫や既存仕入れ先からの酒を販売できるようになった。免許申請を手伝い、売りやすいよう300ミリリットルの小瓶を提供した。第2弾は疫病退散の御利益があると江戸時代に信じられた妖怪「アマビエ」をラベルにした新商品の発売だ。

■ ■ ■

 その一方で、ウィズコロナ時代にオンラインの世界で何ができるかを考え続けている。

 プロジェクト第3弾ではオンライン飲み会にヒントを得た「オンライン見学&試飲会」を7月4、11、18日に開催。オンライン飲み会セットを購入した人に、オンラインで酒蔵見学をしてもらい、日本酒をつくる環境、背景を丁寧に伝えた。

 第4弾では、対象を世界中に拡大。国内だけでなく米国、英国、中国なども含め約200人が、オンライン見学&試飲会に参加し、酒をつくる蔵人や杜氏(とうじ)と盛り上がった。