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■済生会和歌山病院に専門外来開設
70歳代の女性が「耐え難い顔の痛み」のため、近隣の病院から済生会和歌山病院脳外科の「三叉神経痛専門外来」に紹介されてきました。
口を動かすと顔面に激痛が起こるため、食べることも飲むことも、しゃべることさえできません。激痛に耐えながら苦悶(くもん)の表情を浮かべている患者さんの代わりに、同伴のご家族が病状を説明してくれました。
「1年前から右側の顔に激痛が起こるようになりました。口を動かしたり、頬(ほお)に触れたりするたびに瞬間的な激痛が右の頬に起こります。歯が悪いのかと思い、歯科を受診しましたが、これは歯が悪いのではなく三叉神経痛という脳の病気だといわれ、ある病院の脳外科を紹介されました。そこで痛み止めを処方され、痛みはなくなっていました」
三叉神経痛には、通常の痛み止めは全く効きません。その薬はカルバマゼピンという、てんかんの薬です。てんかんとは、脳の神経が過剰に興奮するために起こる脳の病気です。てんかんの薬が三叉神経痛にも効くということは、三叉神経痛もてんかんと同様、神経の過剰な興奮で起こる病気だからです。しかし話はこれで終わりではありません。
「薬は効いたものの徐々に効果が弱くなり、薬の量も増えてきました。他の薬も追加されましたが効果はありません。そのうち痛みのために全く食事をとれず、かろうじて水分だけを飲む状態になりました。まさに地獄の責め苦です! そして済生会和歌山病院に三叉神経痛の専門外来があると聞き、紹介されてきました」