発信力強化? 自民・岸田政調会長がテレビをはしご出演 ポスト安倍見据え

自民党・岸田文雄政調会長
自民党・岸田文雄政調会長

 自民党の岸田文雄政調会長が、テレビ局をはしごして番組収録に臨むなど、長年の課題とされてきた発信力不足の克服に動き出している。「ポスト安倍」を問う世論調査ではライバルの石破茂元幹事長らの後塵(こうじん)を拝しており、積極的な露出により政治家としての考えやキャラクターを浸透させる狙いも透ける。

 「自分の色を十分出し切れていなかった。岸田文雄がどう思っているのかをしっかり出さないといけない」。岸田氏は5日放送のテレビ朝日番組で発信力強化への意欲をこう語った。

 これに先立つTBSでのCS番組の収録では、新型コロナウイルスに対応する改正新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正について「休業要請に応じなかった方に厳しく対応する考え方はあっても良い」と強調。特措法改正に慎重な意見が目立つ政府・与党の幹部の中では踏み込んだ印象を残した。

 毎週月曜日の定例記者会見でもメディアの注目を集める発言が増えており、3日には地元・広島での「黒い雨訴訟」で原告全員の請求を認めた広島地裁判決をめぐり、国が援護の対象とする区域の拡大を求める考えを表明した。

 発信力強化の背景には、次期党総裁選に向けての焦りも見え隠れする。岸田氏側は安倍晋三首相や、その盟友の麻生太郎副総理兼財務相の後押しを支えに勝ち抜く戦略を描いてきた。しかし、最近は両氏の周辺から発信力が上向かない岸田氏を推すことに懐疑的な声も上がっていたからだ。

 岸田派(宏池会)ベテランは「ギアが入ってきた」と変化を歓迎しており、従来の「温厚で堅実だが地味」というイメージから脱却できるかが、今後の焦点になりそうだ。

(永原慎吾)

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