近大職員自殺、遺族が労災認定求め提訴

近畿大の職員だった男性が遺族に宛てた遺書。大学のメモ用紙に「生きてるのがしんどくなりました」などと書かれていた
近畿大の職員だった男性が遺族に宛てた遺書。大学のメモ用紙に「生きてるのがしんどくなりました」などと書かれていた

 近畿大の職員だった男性=当時(40)=が平成27年に自殺したのは長時間労働が原因だとして、男性の妻が、労災と認めなかった東大阪労働基準監督署の処分取り消しを国に求め、大阪地裁に提訴していたことが5日、分かった。

 同日に第1回口頭弁論があり、被告側は長時間労働の有無について争う姿勢を示した。

 訴状などによると、男性は近大総務部校友課の課長補佐になった27年4月以降、卒業生が大学に集うイベントの準備や海外出張で過重労働を強いられ、同年7月に校舎10階から飛び降り自殺。「辛抱できんようになった」「生きてるのがしんどくなりました」などとの遺書を残していた。

 特に自殺前1カ月間はほぼ休みがなく、時間外労働は約160時間以上に上った。東大阪労基署は29年8月、過重労働があったとは認めず、労災認定による遺族補償を支給しない処分を決定。遺族の再審査請求も棄却された。

 労基署側は、男性は自殺約1カ月前に適応障害を発症したが、発症前半年間の業務上の心理的負荷は「中程度」であり、業務外での発病だったと認定。自殺直前の症状の悪化もないとした。

 これに対し妻側は、過重労働による強い心理的負荷で自殺直前には鬱病を発症し、正常な判断ができなかったと主張。労基署が自殺直前の男性の状態を適切に調べていないとした。

 妻は近大に計約5千万円の損害賠償を求め提訴。昨年12月、近大が1千万円を支払うことで和解が成立した。

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