復興が成った33年、上皇ご夫妻の婚約が発表され、東京タワーが竣工(しゅんこう)した。新しい時代に、新しい明治神宮が歩み始める。
昭和21年7月刊行の「神社新報」創刊の辞には、こんなくだりがある。「国家の一機関だった神社が氏子の神社、国民の神社として進むことになったのである。(中略)神社が国家の政治的掣肘(せいちゅう)より脱し、国民大衆の神社として進むことは、神社の真の発展の為(ため)慶賀すべきことである」
中島宮司は「戦前は一般の方のご祈祷(きとう)は簡単には行われず、結婚式も当然なかった。明治神宮100年に当たり、戦後の原点を見据えたご奉仕を考えたい」と話す。(「復興」おわり)
=毎週金曜掲載