難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の女性から依頼を受け、薬物を投与して女性=当時(51)=を殺害したとして京都府警が嘱託殺人の容疑で逮捕した大久保愉一容疑者(42)が事件の半年前、インターネット上に「安楽死研究会」という掲示板を開設し、安楽死が発覚しない方法を募っていたことが27日、分かった。
掲示板は大久保容疑者が使っていたツイッターのアカウント名で昨年5月1日に開設。その目的について「人生を静かに閉じようという人もいたずらに長生きを強いられている現状を、現場ベースで打開すべく、知恵と経験を共有したい」と説明し、「バレないための方法」についてのアドバイスを求めていた。
一方、投稿者に対しては、刑法の条文に盛り込まれている「嘱託殺人」や「自殺幇助(ほうじょ)」という単語を使わないよう呼びかけていた。国内では、薬物投与などで患者の死期を早める積極的安楽死は基本的に認められておらず、大久保容疑者も自身が考える「安楽死」の違法性を認識していたとみられる。
事件では、ALSで寝たきり状態となっていた京都市の無職の女性に頼まれて昨年11月30日、女性宅で致死量の薬物を投与し、殺害したとして、京都府警が嘱託殺人の容疑で大久保容疑者と東京都港区の泌尿器科医、山本直樹容疑者(43)の2人を逮捕した。
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