田村秀男の日曜経済講座

中国経済「回復」という罠 対外膨張主義に呑み込まれるな

16日に発表された4~6月の中国GDPの実質成長率は前年同期比3・2%増と半年ぶりにプラスに転換した。中国のGDP統計は改(かい)竄(ざん)疑惑が消えないので、額面通りには受けとれないが、前述した主要生産指標からすれば違和感はさほどない。

不安はある。その一つが潜在失業者の増大だ。農村部から都市部への出稼ぎ労働者の多くはコロナ禍で帰郷したままになっているが、これらの人々は失業者にカウントされない。

李克強首相は5月、人口の4割超に当たる6億人の1人当たり平均の月間収入はわずか1千元(約1万5千円)だと述べた。これら低所得者のほとんどが出稼ぎ農民であり、李氏は対策として焼き肉など街頭の屋台が重要だと指摘した。かつては各都市の名物だった屋台は今ではご法度になっている。李発言は国営メディアに批判され、実らなかったが、図らずも雇用問題の深刻さを露見させた。

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