静岡・浜松医科大の統合・再編 異論根強く、行き詰まる議論

大学再編案に異論が続出した静岡大学将来構想協議会=21日、静岡市内
大学再編案に異論が続出した静岡大学将来構想協議会=21日、静岡市内

 静岡大と浜松医科大の法人統合・大学再編計画をめぐる議論が行き詰まっている。議論の場として設けられた「将来構想協議会」で、静岡大が示した静岡大の分割を伴う大学再編案に対し、協議会の委員から不満や異論が根強いためだ。ただ、静岡大の丹沢哲郎副学長は「(再編案の)撤回はできない」との姿勢を崩しておらず、着地点は見えない。(岡田浩明、写真も)

 大学再編案は静岡大と浜松医科大の両法人を統合した上で、法人の傘下に静岡、浜松両市を拠点とする2つの新大学が入る計画だ。具体的には静岡市内の新大学は現在の静岡大静岡キャンパスが衣替え。浜松市内の新大学は現在の静岡大浜松キャンパスにある工学、情報の各学部と浜松医科大が統合する。令和4年度から入学者を受け入れる計画だ。

 静岡大は浜松市内の新大学について「医学、工学、情報の連携など異分野融合が加速する」などとメリットを示すが、計画では静岡、浜松両市に拠点を置く静岡大の浜松キャンパスが分割される。このため、規模縮小でメリットの乏しい静岡市側は「産学連携など大学全体の地域貢献度が落ちる」との懸念がある。

 21日、静岡市内で開いた将来構想協議会の第3回会合でも大学再編案への否定的な意見が続出した。協議会は同市の副市長や地元経済界の代表者ら委員11人で構成されている。

 同市自治会連合会の瀧義弘会長は会合で、大学再編の必要性を否定し、大学再編案に「不満だ」と訴えた。他の委員も「なぜ分割しなければならないのか分からない」「大学再編案ありきで進んでいる。現状の大学間で連携強化できる仕組みを考えてはどうか」などと口をそろえた。

 これに対し丹沢副学長は大学再編案について「この場で押し付けるわけではない。自由に委員の意見を聞く場であり、案と齟齬(そご)があれば検討する」としながらも、「撤回はできない」と言い切った。

 両大の法人統合・大学再編計画は昨年3月に双方が合意。しかし、静岡市側から反対論が相次ぎ、地元関係者の理解を得るため、市と静岡大が協議会を設置した。

 丹沢副学長は会合後、記者団に「再編案のメリットが委員に伝わっていないと改めて感じた」と述べた。その上で、膠着(こうちゃく)状態の議論を打開するカギとして「統合・再編で新大学の静岡キャンパスがどうなるかを次回会合で具体的に説明したい」と指摘し、統合・再編の必要性を含め丁寧に説明する考え。

 次回の協議会は8月に開催する予定だ。

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