コロナ対策山積 開催にハードル高く

東京五輪まで1年。東京駅前のカウントダウン掲示板に「365」の数字が表示された=22日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)
東京五輪まで1年。東京駅前のカウントダウン掲示板に「365」の数字が表示された=22日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

 来夏に向けて各競技で予選や代表選考会などが開催され、約1万1000人の出場枠に参加する代表選手を選べたとしても、「ウィズコロナ」のもとでの五輪開催のハードルは高い。ワクチンや治療薬が完成していない場合、どう感染リスクをコントロールするか-。

 各国・地域から訪れる選手たちが出入国の際のPCR検査で陰性を証明して無事に「東京」入りできたとしても安心はできない。現状ではPCR検査で感染している人を正しく陽性と判定できる確率(感度)は70%程度。ウイルスの潜伏期間は最長で14日程度とされ、大会中の生活拠点となる選手村に入る前に、一定期間の隔離措置をとる必要もありそうだ。その場合、別の滞在施設、練習場の確保も不可欠となる。さらに、プロ野球やサッカーJリーグで実施しているように、大会期間中には定期的にPCR検査を受けてもらう必要もある。

 また、選手村自体がリスクを抱えている。通常、相部屋で共同生活を送る場となるだけに、感染リスクは比較的高くなるとされる。大会関係者が「今回は滞在は最低限の日数にとどめてもらうべきだ」と指摘する理由だ。

 欠場を決断する選手も出てくるだろう。前回リオデジャネイロ五輪では、男子ゴルフの当時世界ランク1位、ジェーソン・デー(豪州)、メジャー4勝のロリー・マキロイ(英国)らトッププロがブラジルでのジカ熱流行への不安から出場を辞退。今回のコロナ禍でもカナダ・オリンピック委員会が3月の延期決定直前に選手団の派遣見送りを表明している。来年の状況次第では代表選手派遣に消極的な国も出てきかねない。

 いくつものハードルをクリアし、感染対策を講じても、選手に感染者が出れば、その選手はもちろん、濃厚接触者とされたチームメートはその後の試合には出れないだろう。レスリングなど接触の多い競技では、対戦相手にも影響は及びそうだ。

 大会に備えた大規模な検査態勢の整備や、感染者が出た場合の消毒などの対応、出場可否のルール整備、携帯電話のアプリの活用も含めた濃厚接触者特定の仕組み作りなど、検討すべき課題は山積している。

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