産経新聞は原発再稼働推進の立場ですよね。今後のエネルギー政策の見直しでは、あらゆる選択肢をファクトベースで大いに議論すべきだと考えています。石炭政策の見直しもファクトに基づく議論をしたから動いた。エネルギー分野の技術革新のスピードは速く、数年前は当たり前だったことが圧倒的に変わることもある。再生可能エネルギーの価格が高い印象がありますが、海外では安くなっている。12年度の電源構成で再生エネの割合約22~24%の達成は当然であり、さらに全力で比率を引き上げるべきです。
気候変動政策に取り組むのは今が危機だからです。毎年の台風や水害、地震、火山、雪崩など日本ほど災害の多い国は世界になく、今も九州地方を中心に豪雨で甚大な被害が出ています。もはや環境問題にはリベラルも保守もありません。気候変動対策は国家の安全保障に関わる問題なのです。日本が産油国など海外に資源を依存し続ける道は将来、非現実的になるのではないか。再生エネの比率を高めることで、資源確保でも日本の自立性を高め、より持続可能な国家像を築くことも考えていきたい。
大臣としての自己評価ですか? 環境省の皆さんに聞いてもらった方がフェアでしょう。政治家の自伝ほどあてにならないものはないといいます。今も試行錯誤ではありますが、部下の職員の大半が年上の中で、いかに高いモチベーションを持って仕事してもらえるか、僕なりに意識しました。
憲法改正については、もちろん賛成です。戦後ずっと憲法を変えられず、改憲手続きのハードルも高い。改憲を実現するには、理念的なことより具体的なテーマが大切だと思います。今の憲法のままだと国民生活の不利益の方が大きい、だから憲法のこの部分を見直すのだという議論をスタートしていけばいいと思います。(奥原慎平)