日本ABC協会(Audit Bureau of Circulations=新聞・雑誌部数公査機構)による2019年下半期の雑誌実売部数が公表された。
前期比39・6%増の『otona MUSE』など宝島社の女性誌が軒並み増えている以外はほとんどの雑誌が部数を減らしている。雑誌界の王様『文芸春秋』でさえやっと20万部を維持し、20万7818部(前期比2721部減)。
週刊誌のトップは相変わらず『週刊文春』で変わらない。『週刊大衆』が12・7%増と健闘しているのが目立つ。
(1)『週刊文春』 28万1243
(2)『週刊現代』 20万1962
(3)『週刊新潮』 18万7484
(4)『週刊ポスト』 18万5449
(5)『週刊大衆』 8万4993
(6)『週刊朝日』 6万4881
(7)『週刊アサヒ芸能』 5万5853
(8)『AERA』 3万9635
(9)『サンデー毎日』 3万922
(10)『ニューズウィーク日本版』
2万5827
『FRIDAY』『FLASH』など写真誌は完全にネットに移行している。
たとえば『FRIDAY』の場合、紙は7万8246だが、読み放題のUU(ユニークユーザー)数は34万7500。紙離れがどんどん進んでいるわけだ。
で、今週の各誌だが、やはりいちばん読みたいのは『ニューズウィーク日本版』(7・14)の大特集「香港の挽歌」だ(この雑誌はもっと読まれるべきだ)。
「生きてさえいれば希望がある」という、香港デモのリーダーの一人、周庭(アグネス・チョウ)さんの言葉に涙しなかった人はいないだろう。表紙、警察官の銃に押さえつけられた青年の写真がすべてを物語っている。
ついでだが7月1日、産経の1面トップ(東京本社発行版)、ベタ白抜き「香港は死んだ」という藤本欣也記者の原稿は素晴らしかった。新聞史に残る。
『週刊新潮』(7月16日号)は巨人・原辰徳監督の「ゴルフ賭博」第3弾。
読売、巨人は「物証があるまい」と高をくくっているようだが、証言は極めて具体的。調査は必要。調査すれば責任を問わざるを得まい。
(月刊『Hanada』編集長)