プロ野球のロッテ-西武は7-6で西武が勝った。
鳴り物の応援がない球場で観客は固唾をのんで戦況を見守った。同点で迎えた九回2死満塁、西武の栗山は「塁に出れば1点入るとシンプルに考えていた。鼻息が(観客に)聞こえるかもしれないと緊張した」。きわどい球を見極め、押し出し四球を選び、勝ち越しに成功。ロッテファンのため息と西武ファンの拍手が交錯した。
今季で19年目を迎えたベテランも、久しぶりの観客の前での試合に「喜びと緊張感を感じていた」。八回には同点2ランを放ち、試合を振り出しに戻した。「この上ない喜び。(ファンの)視線はありがたい」と改めて観客の前でプレーするやりがいを感じた。
一回に先制3ランを放った山川も「久しぶりにファンの前で打ててうれしい」と喜んだ。ベンチ前では、両手を広げて突き上げるおなじみの「どすこいポーズ」を披露。「どすこい」の声が球場内に響き渡った。
辻監督は「久々にお客さんが入って新鮮だった。今までの応援スタイルとは違うが、『頑張れ』という拍手を感じ、いいなと思った」。改めてファンのありがたみを感じていた。(神田さやか)