小池知事「他県への不要不急の移動控えて」 都内131人感染確認

取材に応じる東京都の小池百合子知事=4日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
取材に応じる東京都の小池百合子知事=4日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)

 東京都知事選(5日投開票)は4日、選挙戦最終日を迎えた。新型コロナウイルス感染の第2波到来が懸念される中、現職の小池百合子氏(67)は街頭演説を行わず、新人候補らは買い物客でにぎわう主要駅前に出向き、有権者に最後の訴えを行った。

 「第2波が来たら、企業も人も倒れる。それを食い止めるのが政治だ」

 れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)は午後6時過ぎ、新宿区のJR新宿駅前でこう力を込めた。都債発行による15兆円規模の財政出動で都民1人に10万円を給付する持論などを展開し、実現可能性を訴えるため、総務省から最大20兆円まで都債を発行できるとの言質を得たと主張した。

 現職の小池氏は選挙カーから流す録音の演説音声に「最後の訴えに参りました」との言葉を加えたが、この日も公務を優先。公務後には、報道陣に対して「コロナと闘っていくのが都民への責務」と述べた。夜にはインターネット上に動画を配信し「喫緊の課題はコロナ対策。都民の命と健康を守り感染症に強い東京にしていく」と支持を呼びかけた。

 午後7時半過ぎ、新宿区の都庁前に立ったのは元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)。感染者増を受け「経済効率性よりも都民の命や暮らし、人権を大切にする社会への転換が求められている」と声を上げた。

 保健所の数が少ないと指摘したうえで「第2波、第3波には、保健所や人員の拡充なくしては対応できない」と主張し、PCR検査態勢の強化を訴えた。

 「このままでは東京は駄目になる」。元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)は正午前から台東区のJR上野駅前の街頭に立った。

 コロナ対応で都の貯金にあたる財政調整基金の大部分が取り崩されたことに触れ、「熊本県では感染第2波や熊本地震、今日の大雨のような災害が起きたときのために取ってある」と堅実性をアピール。その後も都内を回り支持を訴えた。

 NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は動画を配信し、60代以上に外出を控えるように促し「メリハリのついた自粛をお願いするのが私のコロナ対策だ」と述べた。

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