【新防災-西日本豪雨2年(上)】避難所襲う感染リスク 「密」回避へ新たな様式模索(1/3ページ) - 産経ニュース

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新防災-西日本豪雨2年(上)

避難所襲う感染リスク 「密」回避へ新たな様式模索

日常をのみ込んだ雨が嘘だったかと思わせるような強い日差しが降り注いでいた。平成30年7月、岡山県倉敷市。街を覆った泥は粉塵(ふんじん)へと姿を変え、積み上がった災害ごみが異臭を放つ。劣悪な環境で片付けに汗を流した人々が夜を過ごす避難所は、感染症のリスクと隣り合わせだった。

「密な状態だったが、保健師が避難所を見守り、トイレの衛生管理、手洗いの徹底などの指導を行い、感染症の拡大を防いだ」。今年6月、伊東香織市長は当時をこう振り返った。

災害時の避難所は、感染症との闘いの場でもある。阪神大震災ではインフルエンザが流行するなどした結果、兵庫県で919人が関連死と認定された。東日本大震災ではノロウイルス感染の拡大が問題になった。避難場所確保に重きが置かれ、保健衛生環境の改善は後回しだったことが大きな理由だった。

そんな激烈な戦場に新型コロナウイルスという新たな感染症が投入された。ワクチンも、特効薬もないこの病禍は、災害時の感染症対策の局面を完全に変えようとしている。

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「これまでの避難所では感染拡大は防げない」。平成28年の熊本地震の被災地の一つ、熊本県益城町(ましきまち)の岩本武継危機管理課長は今、強い危機感を抱いている。

きっかけは、今年5月に町総合体育館で実施した新型コロナ対策を想定した避難訓練だった。