世界で新型コロナウイルスの被害が最も深刻な米国で、感染対策に効果的とされるマスクの着用をめぐり論争が起きている。米政府は4月初旬にマスク着用を奨励したものの、一部の国民は抵抗感を示し、義務化した自治体に対しては「個人の自由の侵害だ」と反発。マスク嫌いとして知られるトランプ米大統領と、民主党のバイデン前副大統領が応酬を繰り広げるなど「政争の具」にも発展している。
「マスク姿を見せたくない」
米国でコロナ禍が始まって以降、トランプ氏は公の場では一度もマスク姿を披露していない。5月21日に中西部ミシガン州の自動車工場を視察した際には、マスクをつけずに報道陣の前に登場。記者にその理由を問われ、「(記者がいない)他の場所では着けていた。報道陣にマスク姿を見せて喜ばせたくなかった」と説明。「正直言ってマスク姿の私は、より格好良く見える」とも語った。