新規参入のマスク事業に評価相次ぐ シャープ株主総会 健康分野で事業展開へ

 新型コロナ感染拡大に伴う入国制限のため、台湾の販売拠点からオンライン中継で参加した戴氏はマスク事業について、「日本の社会に貢献できた」と手応えを明かし、健康関連分野での事業を拡大する考えを示した。

 一方、戴氏は株主から野村氏を新社長に選んだ理由を問われ、「8年間一緒に仕事をし互いのやり方や考え方を熟知している」と評価。新体制では自身が取締役会と人事評価委員会、野村氏が経営戦略会議を主催する考えを示し、「私が海外事業に使う時間を増やし、野村新社長には日本でビジネスをしっかり展開してほしい」と述べた。

 また、他の株主からは同社が注力する超高精細な「8K」テレビ事業などについて、「市場がまだ立ち上がっておらず事業領域を広げるべきでは」との指摘があり、野村氏は「プレーヤーがまだ少なく、日本ではシャープが先陣を切りたい」と答えた。

 株主からは米アップルと進めるジャパンディスプレイの白山工場(石川県)の購入交渉の進捗(しんちょく)や、新型コロナの影響で公表を延期している今年度の業績予想についての質問もあったが、経営陣は「詳細はお答えできない」と回答するとどめた。(山本考志)

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