平成29年7月の九州北部豪雨で福岡、大分両県にまたがる一部区間が被災し、バス高速輸送システム(BRT)に転換するJR日田彦山線をめぐってJR九州が、福岡県が要望していたBRTが走る区間のうち14・1キロに専用道を敷く案を受け入れる方針を固めたことが19日、分かった。25億円程度と試算している復旧費も、JR九州が全額負担する方針だ。
今月中にも社内で復旧方針を決め、福岡県などに報告することで、豪雨から3年を迎えるのを前に決着させたい考え。JR九州は専用道を7・9キロ設けることを提案したが、県はBRTの強みである定時運行を確実にするため専用道の区間を延長するように求めていた。
沿線の福岡県東峰村の渋谷博昭村長は18日、JR九州の青柳俊彦社長と会談した際に「県が提案する案でしか受け入れは難しい」と伝えた。
日田彦山線は北九州市と筑豊地方、大分県日田市を結ぶ68・7キロの路線。かつては沿線地域で産出した石炭を運ぶ貨物列車が走り、旅客利用も堅調だったが、炭鉱が閉山されて沿線の過疎化が進んだ。3年前の豪雨で被災し、添田(福岡県添田町)-夜明(日田市)の29・2キロが不通になった。
JR九州は、彦山(添田町)-筑前岩屋(東峰村)の7・9キロを専用道とし、残る区間は一般道を走らせることを提案したのに対し、福岡県は彦山-宝珠山(東峰村)の14・1キロに専用道を延長することを求めていた。