大阪北部地震から2年 進まぬ民家のブロック塀撤去 

同市では、市立学校にある約31キロ分を撤去する方針を決め、今年度末までには道路に面した約15キロ分の撤去・改修を完了させる計画だが、民有地と接する残り約16キロは撤去の見通しが立っていない。費用は市負担だが、複数の民家が絡む事例もあり、交渉は難航中。「騒音も発生するし、市の考えを押しつけることはできない」と担当者は気をもむ。

 撤去が遅れる民有地のブロック塀への対応は急務だ。東北工業大の最知正芳特命教授(建築生産工学)は「民有地でも自治体は特に危険性の高いブロック塀を選定して補助金を増額するなどして所有者に撤去を促すべきだ」と指摘。「全撤去しなくても、高さを80センチ以下にする工事であれば費用も安い。リスクを減らす対応が必要だ」と話している。

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 大阪北部地震 平成30年6月18日7時58分、大阪府北部を震源として発生し、大阪市北区と高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱を観測した。6人が死亡し、うち2人はブロック塀の崩落に巻き込まれた。大阪府を中心に6万棟を超える住宅被害をもたらしたほか、発生時間が通勤時間帯と重なったため、通勤困難者を生むなどし、都市型災害の課題を浮き彫りにした。

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