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新型コロナウイルスの影響で分散登校を続けていた近畿地方の多くの学校で15日、クラスの全員が参加する通常授業が再開され、中学や高校では部活動も始まった。声を出したり、接触したりする練習には細心の感染防止対策を講じつつ、生徒らは久しぶりに集まった仲間とともに活動に打ち込んだ。(木ノ下めぐみ、矢田幸己)
3カ月半ぶり
この日午後4時頃、大阪市都島区の大川沿いにある艇庫に、大阪市立桜宮高校ボート部の部員らが集まってきた。ボート部の活動は3月2日から停止しており約3カ月半ぶり。ほこりをかぶっていたボートをマスク姿のまま運び出し、スポンジやタオルで磨いた。
本格的な乗艇再開は20日を予定。女子キャプテンの3年生、松本風歩(ふうあ)さん(18)は「こっそり乗りに来ようかと思い詰めるほどだった。やっと船に触れて本当にうれしい。乗艇が楽しみ」と声を弾ませる。
活動再開にあたり、手指の消毒や部室の換気を心掛けるほか、更衣室への5人以上の入室や活動前後の長時間の部室滞在を避けることなどを盛り込んだ学校独自の予防マニュアルを作成した。また、乗艇中は部員はマスクを外すが、唯一こぎ手と向かい合う形になる舵手のみマスクを着用する。
男子キャプテンの矢野慶汰さん(18)は「コロナにより皆で部活をできることは当たり前のことではないと気付いた。後輩には1つでも上に勝ち上がってほしい」と希望を託した。